あの大手、セゾングループ創業者で「辻井喬」という作家名で小説や詩人としても活躍した堤清二(つつみ・せいじ)さんが25日、死去されました。
86歳、昭和の時代を築き上げた貴重な方がまた一人・・・偉大な方だったようです。
経 歴
堤氏は、東京都出身。1951年に東京大学を卒業されています。
当時、衆院議長だった父親・西武グループ創業者の堤康次郎氏の秘書を務めあげ、1954年に西武百貨店(現そごう・西武)に入社しました。
1964年の父親の死去にともなって、西武百貨店など西武グループの流通部門を受け継がれました。一家で大手グループの経営を担っていたのですね。
1970年に異母弟の義明氏が率いるグループ本体から独立し西武流通グループ(のちのセゾングループ)を立ち上げました。生活総合産業100社以上を率いる大手企業グループに成長させました。
セゾングループ退任後
1991年、セゾングループ代表を辞めた後は解体に向かうグループの行方を常に気にかけていたようです。
義明氏が捕まり、西武鉄道グループの再編問題が浮上。異母弟の猶二氏と西武鉄道の買収を提案し、創業家メンバーとして活動されていました。
作家として
「辻井喬」という名で小説や詩人として多数の作品を発表されています。
1991年以降は、作家活動に力を注ぎ、
1993年、詩集「群青、わが黙示」で、高見順賞を受賞。
1994年、小説「虹の岬」で、谷崎潤一郎賞を受賞。
2004年、「父の肖像」で、野間文芸賞を受賞されました。
作家として、これだけ受賞するのは至難の業ですよね。そして1998~2000年には、日本経済新聞朝刊に小説「風の生涯」を連載され、美術館開設など文化事業にも力を入れていたようです。
こういった偉大な方が年配になり、去っていかれたと耳にすると若い人たちはより一層、日本を支えていく勢力を養っていかなければと肝に銘じますね。ご冥福をお祈りいたします。